理事長所信

一般社団法人枚方青年会議所 2021年度 理事長所信

第61代理事長 花村 つよし

第61代理事長
花村 つよし

『感謝』『謙虚』『寛容』
~青年の学び舎で成長を遂げ、わがまちへ翔び立とう!~

はじめに

「われわれは、つねに団結の力により創造者としての勇気と実行力をもって地域社会の進歩発展に貢献せんとするものである」という高い志のもと、枚方JCは1962年に全国で221番目のLOMとして設立されました。以来、59年の永きに亘り、先輩諸氏がわがまち枚方の発展にご尽力され、その志は今日まで絶えることなく連綿と受け継がれてこられました。まちづくりに対し強い使命感をもって活動されてきた歴史は、地域から信頼される礎となり、地域を支え、数多の地域を代表する人材を輩出してきました。地域の宝である私たち青年に成長の機会を提供し、地域で活躍することができる人材を育成することこそがJCの存在意義であり、これからも変わることなく運動を持続していくことが“明るい豊かな社会”の実現に繋がるものと確信しています。

JCの魅力を語る会員拡大運動をもって持続可能な組織へ

全国的に会員の減少が続き、深刻な状況を迎えるLOMも多く存在している中にあって、私たち枚方JCは近年、積極的な会員拡大マインドが浸透し、メンバー数を増加させることができています。これは先輩諸氏の努力の賜物であり、現役メンバーにとって財産であると考えております。しかし、卒業という区切りがある組織が故に、現在の状況に胡座をかくことなく、不断な会員拡大運動に取り組み、地域を支える人材を輩出し続けなければなりません。そのためには一人でも多くの方に対して、JCの魅力を語る会員拡大が必要であると考えています。現在のメンバーの年齢層を鑑みても、向こう2年間で4分の1のメンバーが卒業するという、間違いなく起こる会員数の減少に、何の解決策も持っていなければ、会員減少は決して他人事などではなく、枚方JCにも起こり得る危機です。
まずは、LOM全体に会員拡大の意義を伝え、会員拡大が私たちの運動の持続と発展のためには不可欠であることを共有し、枚方JCメンバー全員が、LOMに起こり得る問題やそれぞれの役割を理解して、この運動に取り組まなければなりません。積極的な会員拡大マインドが浸透した近年の枚方JCならば全体で取り組む気運は高まっており、常に積極的に情報を集め、想いを伝え、JCの魅力を候補者に語ることで、効果的な会員拡大運動を展開することができると考えております。会員拡大運動には特効薬などはなく、こういった地道な活動を、いかに気を抜くことなく、持続し続けるかが肝要です。
また、会員減少の理由の一つとして、在籍期間の短いメンバーが、積極的にJC運動に取り組む前に退会してしまうことがあげられます。本来、会員拡大と会員へのサポートは表裏一体となって行わなければならないと考えております。折角、一名の同志を拡大しても十分なサポートが整わず二名の同志が退会をしていては本末転倒であり、持続的な組織とは成り得ません。こういったメンバーがJCへの理解を深め、魅力を感じ、ストレスなくJC運動に取り組む環境の整備が必要です。
新入会員は入会前に話を聞いただけで、JCの魅力や意義を肌で感じてはいないため、一人ひとりに対して公平に機会の提供を行い、JAYCEEとしての志を移していく地道な取り組みが不可欠です。そこで、本年は一年を通してJCの魅力や意義を徹底して伝え、地域を支える人材としてのJAYCEEとなるべく「JAYCEE塾」を設置します。過去にも同様の塾が創設された歴史があり、新入会員に志を灯してまいりました。塾生たちはその後LOMで要職を担い、地域を支える人材としてのJAYCEEとして着実に成長を遂げてまいりました。塾での学びと気づきのみが成長に繋がったわけではありませんが、入会初年度のこの機会が成長のきっかけとなったことは疑いようがない事実です。
全ての新入会員に対し、同じ環境で公平に機会を提供することで、地域を支える人材としてのJAYCEEへと成長できるように全力で取り組んでまいります。

歴史を繋ぎ、未来へと翔び立つLOMの創造

本年、枚方JCは創立から59年が経ち、来年は創立60周年を迎えます。私が入会した年度が創立45周年で、それから50周年、55周年と3回の周年事業にメンバーとして携わってまいりました。その都度、策定されてきた運動指針、周年事業の設えなど様々ではありましたが、過去全ての周年で不変なのは「過去を振り返り、紐解き、その歴史に感謝する。一方で現状を見つめ直し、めまぐるしく変化する社会に対応できるLOMとなるべく決意を新たにする時」ということが本質であり、周年の意義です。
会員の入れ替わりがあるJCにおいて、先輩諸氏が築き上げてこられた歴史を知るものが稀有な存在となるならば、積極的に過去の歴史を知り、これまでの事業の経緯を見出し、紐解くことは非常に重要です。何故なら、過去を知らないものに未来は創れないからです。ただし、JCは思い出を語り合う団体ではなく、未来を語り合う団体であるべきです。めまぐるしく変化する社会に対応できるマイナーチェンジや、場合によってはフルモデルチェンジを施し、未来へと翔び立っていかなければなりません。創立60周年を迎える前年度である本年は、過去59年の歴史と事業の検証をした上で、未来への架け橋となるべく取り組んでまいります。

再起を図る枚方フェスティバル協議会と枚方まつり

枚方JCが主体となり、地域と協働している枚方フェスティバル協議会。その中でも枚方フェスティバル協議会が主催となる事業の枚方まつりは枚方で最も認知度が高い市民意識変革運動です。しかし、昨年は新型コロナウイルスが猛威をふるい、主催事業の枚方まつりはおろか、枚方フェスティバル協議会の多くの事業も中止を余儀なくされました。人命を最優先にした判断であり、中止は当然の決断であったとは思います。しかしその決断は、2004年の協議会設立から16年の歳月をかけて、先輩諸氏が繋いでこられた枚方の文化、歴史、伝統の発信が途切れるという苦渋の決断でした。コロナ対策として世の中でステイホームに取り組み、その結果ベッドタウンの枚方には逆に人が滞留することで、自らが住み暮らす枚方に市民の意識が向いたのではないかと思います。これを逆にチャンスと捉え、本年の枚方フェスティバル協議会の各事業、主催事業の枚方まつりは枚方の文化、歴史、伝統をしっかりと発信することができるように、開催をしなければなりません。さらに、主催する私たちにとって、子供たちの夏休み最後の風物詩であった枚方まつりの開催は責務であり、学校が休校になり、学校で友達との思い出を紡ぐ貴重な時間を失い、閉塞感が漂う子供たちに対して、夏の思い出を提供することは、地域に住まう私たち子育て世代の努めです。
枚方JCが運営に携わる枚方フェスティバル協議会は、次々と事業が中止になり、悔しい思いをした参画団体の共通事項が強い繋がりを生み、自分の団体のことだけを考えるのではなく、協議会としての視点でベクトルを揃えることができ、未来に向けて持続可能な協議会を共に創っていくきっかけとします。
また、主催事業の枚方まつりについても、産・学・官・民が主体的に参画し、枚方の文化、歴史、伝統を発信し、枚方の夏休み最後の風物詩を私たち運営側、来場される市民と共につくり上げる、市民まつりとしていきます。

JCでしかできない交流の意義を知り、刺激し合える同志となろう

枚方JCと台湾の彰化國際青年商會との姉妹交流は、締結から54年を迎える長い歴史となっています。現在も日本と台湾には国交は存在しませんが、今日のように気軽に訪台することができない時代も経て、先輩諸氏が培われてきた固い友情と交流の意義は国同士の枠を超えて、強い絆として受け継がれております。
他を知らなければ、自分の強みも弱みも分かりません。世界を知らなければ、日本の位置づけを知ることもありません。自分や地域を良くしたいなら、異なる世界を知ること、異なる人々と関わることを怠ってはいけません。姉妹交流は国籍の違い、文化の違い、思想の違い、そして生まれ育った環境の違い、お互いがお互いを認め合い、その価値観を受け入れることで、良くも悪くも自身を日本人として強烈に意識し、国内では得ることができない新たな見識を得て、自らを成長させていくことができる国際交流の機会です。その国際交流の意義を十分にメンバーへ伝播することができず、折角の機会に参加数が少ないことが例年の課題です。彰化國際青年商會との姉妹交流は事前に何を聞いていようとも、百聞は一見にしかずであり、一度参加してみてこの交流に心酔していくメンバーをこの14年で何人も見てきました。まずは思い切って参加してみることが重要です。
また、友好JCである(一社)中村青年会議所との交流の歴史は48年を迎えます。私たちJC間の友好が先導して、行政同士が友好都市となったことは周知の事実です。彰化國際青年商會と同様に毎年交互に地元へ訪れる訪問事業を通じて、まちの文化や伝統を知り、お互いを認め合うことで固い友情を育んでまいりました。私自身も委員長として担当をしたことから、現在でもこの交流を毎年楽しみにしており、当時の同期委員長とは公私ともに密な関係を続けております。台湾とは違い国際交流ではありませんが、非常に身近な同志として友情を育むことができ、地区的なJCの特徴を知ることができたり、地域の違うLOMとしての特徴を知ることができたりと、お互いにとって刺激し合いながら友情を育んでまいりました。この交流も彰化國際青年商會と同様に、一度参加してみて心酔していく事業です。何事も百聞は一見にしかずの精神で思い切って参加してみることが重要です。

まちの未来を創造する

私たちが住み暮らすこの枚方は、市内に5つの大学が存在し、多くの学生が集い、経済分野としても7つの企業団地が存在し、中小企業を中心に産業の集積が行われています。さらに、まちづくりを目的としたNPOや市民団体が数多く活動している、地域と人の魅力に溢れたまちです。しかし、それら多くの魅力的な地域資源がある一方で、それを十分に活かしきれているとは言えず、そこにきて新型コロナウイルスの影響で閉塞感すら漂っています。
昨年から世界中で猛威を奮っている新型コロナウイルス。多くの人が新型コロナウイルスの大流行をグローバル化のせいにし、この種の感染爆発が再び起こるのを防ぐためには、脱グローバル化をするしかないと説く。壁を築き、移動を制限し、人との交流を減らせ、その結果が“#ステイホーム”や“#おうち時間”を唱えた自粛生活でした。しかし、感染症を封じ込めるのに短期の隔離は不可欠だとはいえ、長期の孤立主義政策は経済の崩壊に繋がるだけで、真の感染症対策にはなり得ません。むしろ、その正反対です。感染症の大流行への本当の対抗手段は、分離ではなく協力なのです。
新型コロナウイルスの影響で経済は落ち込んでいます。今回のコロナ危機による経済の落ち込みが、今後さらにどの程度深刻化するのか。またどの程度長期化するのかは読み切れないところではあります。しかし、過去にも経済危機は幾度もあり、企業の中にはその危機をうまく乗り越えることでさらにその強さを磨きあげ、経済危機後に大きな成長を遂げた企業も数多く存在します。
今回のコロナ危機は、過去の経済危機と比べてもその規模が格段に大きいという指摘もあります。しかし、コロナ危機により、従来はなかった課題が生まれ、それを解決したいという新たなニーズがいたるところで生まれています。影響が長引けば長引くほど、深刻化すればするほど、これらの課題を解決したいというニーズは高まり、そのニーズに応えることは、企業に新たなビジネスを生み出すことができるはずです。新たな商品、サービスの開発を通じて、課題を払拭し、その活動の中で自らも新たな強みを築いて大きく成長できる、そんな成長機会を見逃すべきではありません。
新たな時代に則したビジネスモデルの構築とともに、確実に進行する人口減少社会の中で地域毎の実態に即した、あるべき人口像を描く議論を進める必要があります。人口減少が地域の成長を阻む原因となることは否定できません。また、感染症対策も国防も防災も介護も社会基盤の維持や文化の維持も全て人がいてこそできることです。少子化対策は社会の成長戦略の最たるものです。子供が生まれることは社会全体の利益なのですから、子供を持つことが個人をより幸せにする社会に変えていかなければなりません。こうした多子社会の実現と新たなビジネスモデルの構築を同時に進め、持続可能なまちを描いていく必要があります。
私たちのまちを魅力ある、持続可能なまちへと発展させるのは我々青年の仕事であるというJCの創始の精神に立ち帰り、この未曾有の危機と共存して巧みに乗り越えていくために、自分たちの資質向上を積極的に行い、自らが強くなければ家族も、JCも、企業も、まちも持続できないという社会的使命を再認識して、高い志と強い覚悟をもち、わがまちの経済成長と住み続けられるまちづくりをもって、SDGsの目標達成に取り組んでいきます。

未来を担う人材育成

少子高齢化による生産年齢人口減少が深刻化を増す枚方において、多様な人材が活躍することのできる社会づくりが求められています。性別など様々な違いを受け入れ、多様性のある中を先導することができる人材を育成し、共生社会を創造していく必要があります。
地域の未来を担う子供たちに、利己的ではなく、他を慮る道徳心を醸成し、他人を称えることができる利他的で心豊かな人材となるべく、成長することができる機会を提供します。人生という生涯をかけた道のりには、山も谷もあります。そこで苦しい時期である谷をどう捉えるかが大切であり、苦しい時期の精神、態度、行動こそが重要です。苦しい時期にこそ成長のきっかけがあり、最後まで諦めずにベストを尽くした先に成長は待っているのです。そのように取り組んだ過程が最も尊く重要で、仮に尽くした努力が実を結ばなくても、それを素直に認め、次への努力を誓うことがまた新たな成長へと繋がると考えています。
また、少子化などによって地域の交流が希薄になってしまったことで、他者や弱者を思いやる心、優しさや協調性、連帯感など、社会生活をするのに必要な人間性を自然に育める機会や場が非常に少なくなっていることも問題であると考えています。こういった課題に向き合う機会を創出し、目標に向かって努力する意欲を培い、その道のりの中で、仲間意識や責任感、犠牲的精神、リーダーシップ、社会性といったものを育むことで、地域の未来を担う人材を育成し、SDGsの目標達成に繋がる共生社会の創造をしていきます。

素晴らしい運動と発信は表裏一体

市民の一体どれくらいの人が枚方JCの運動を知っているのでしょうか。私たちが日々、議論を積み重ね、汗を流して運動展開をしているにも関わらず、一般的な市民への認知度は極めて低いといわざるを得ません。現代社会ではスマートフォンやタブレットの普及により、市民が情報を手に入れるスピードや量が飛躍的に伸びています。とりわけ、WEBの中でもSNSは最もスピーディな情報流通ツールとなりました。JC運動は青年が主体となって展開しているからこそ、時流に則した情報流通ツールを積極的に活用すべきであると思います。
発信する運動の内容が大切なのはいうまでもなく、誰に向けて、何のために、どうなって欲しいか、事業の中でそこまでを1セットで考えて構築していく必要があると考えます。だからこそ、ある事業では敢えてWEBに頼らず、アナログな紙媒体やポスターなどの手法を選択することも効果的であると考えます。既述の通り、WEBによる情報流通が発達した昨今において、発信のスタートがアナログであろうとも、アナログの素材が革新的であれば、市民が自主的にWEBで拡散してくれます。それがSNSの投稿や、いいね、シェア、リツイートに他なりません。
最終的に枚方JCとしての情報発信を担うのは広報担当の委員会ですが、外部に向けて事業を展開する委員会にはどのような運動を、誰に向けて、何のために、どうなって欲しいか、そのためにどうやって発信するのか、という広報計画の最適解を導き出して、LOM全体で発信を行っていきます。

地域から信頼される組織へ

様々な団体や組織が存在する中で、枚方JCが地域に根付き、信頼されてきたのは厳格な規律に基づく組織運営と地域からの信頼と負託に応えられるガバナンスを確立した確固たる組織運営、そして堅実な財務基盤にあります。めまぐるしく変化する社会とともに、枚方JCの在り方にも変化が求められます。これまでに受け継がれてきた厳格な規律に基づく組織運営を継承しながらも、時代に則した変化を施していかなければなりません。
枚方JCが他と一線を画す組織運営の特徴として、厳格な会議運営が挙げられます。一つの意思決定を行うのに、多くのプロセスを大切にし、時にそれは会議に臨む前から始まることもあります。協議して意見を集約する過程で、様々な気づきや学びを得て、想いは磨き上げられるため、私たちは成長を遂げることができ、自信をもって事業を実施し、運動を展開していくことができます。様々な場面で繰り返されるこの連続こそが、青年会議所の醍醐味であると思います。
財政面においても、会員から負託された予算が1円に至るまで、公正かつ適正に支出され、JC運動を効果的に展開していくために執行されているかを審査することはもちろん、コンプライアンス遵守が厳格化される昨今で、公の組織である枚方JCがそれに抵触することがないよう細心の注意を払い、一切の妥協を排して財務基盤の確立に向けて取り組んでまいります。

むすびに

もし私たちが本来の社会的使命を忘れ、存続自体がその目的となるような組織であるならば、自ら潔く解散をするべきです。「変革の能動者」は60年近くの歳月を経て、単に既得権益に安住する者となってしまったのか。そのような声に対し、私たちは創始の精神に立ち帰り現実的・具体的な運動を通してしっかりと反論していかなければなりません。JCはゴミを拾う活動を目指すよりも、ゴミを捨てさせない社会をつくっていく団体です。対処療法ではなく、根本療法を運動というかたちで社会に示していくことが私たちの使命です。
失敗したくないのであれば、ずっと家に引きこもりSNSで“#ステイホーム”と書き込んでいればいい。しかし、生きるとはそういうことではないのです。苦しいこと辛いことがあろうとも、目の前のことをコツコツと乗り越えていかなければなりません。私たちは多くの人々と繋がり、他人の行動や自分の行動から多くの学びを得て、成長し、社会で運動を展開する運動体です。行動することを決してやめてはいけないのです。未来は私たちの今日の行動から創られます。目の前に道がないのなら、道をつくればいい。目の前に立ちはだかる壁があるのなら、その壁を壊せばいい。私たち青年は前に進むのみです。私たち青年はできない理由を並べて行動することを避けるのではなく、できる方法を見つけ出し、やり遂げるのです。
多くの仲間と共に常に「感謝」を忘れず、「謙虚」に物事に取り組み、「寛容」な心で人と向き合って行動していってほしい。目の前にあることをコツコツと、自分ができる最大限を確実に遂行し、自分の可能性を使い切ることでさらなる成長を遂げ、わがまちに翔び立とう!