理事長所信

一般社団法人枚方青年会議所
2022年度 理事長所信

第62代理事長 松下 明夫

第62代理事長
松下 明夫

『Follow your passion』
~目的意識を共有し、不変の志を追求しよう~

はじめに

2020年より日本でも確認された新型コロナウイルス感染症の影響を受け、地域の市民まつりをはじめ、大きなイベント、学校行事などが中止となり、顔を合わせてコミュニケーションをとる機会が制限され、世界的に生活様式が一変し、社会全体も加速度的にICTが発展、ビジネスの成り立ちや人びとの生活も目まぐるしく変化しました。
わがまち枚方においても、地域間での交流の機会が減り、若い世代はインターネットの世界に没頭、目を見て心を通じ合わせるコミュニケーションが希薄になっていると感じております。人と人とが目を見て語り合い、先祖から受け継いだ歴史を次世代に伝えることで地域が活性化するのではないでしょうか。
私は2017年に(一社)枚方青年会議所に入会し、短い期間のなか、要職を経て自分の強みは熱意と情熱だと気付きました。激動の時代だからこそ、より熱意、情熱をもって明るい豊かな社会の実現を目指さなければいけません。これらをなくしては目標の達成には至らないと考えております。
(一社)枚方青年会議所は1962年に発足、全国221番目の青年会議所として設立され、創立60周年を迎えます。先輩諸氏が築いてこられた基盤を受け継ぎつつ、さらに新しいコミュニケートの手法を模索し、持続可能なまちづくりに邁進いたします。

創立60周年に向けて

私たちは、「明るい豊かな社会」の実現に向けて、先輩諸氏が長きにわたり紡いできた成果に感謝と敬意を表し、この記念すべき年に輝かしい未来を創るためにも、時代に則した対応も加え、わがまち“ひらかた”の「まちづくり」と、その想いをつなぐための「人づくり」を実践してまいります。
創立60周年を迎える本年、記念式典および記念講演を開催いたします。記念式典においては、(一社)枚方青年会議所が設立された背景から現在に至るまでの歴史を振り返り、存在意義をあらためて見直し、理解したうえで、今後10年を見据えた新たな一歩を踏み出します。今日までの感謝の気持ちを伝え、未来への布石とするために、(一社)枚方青年会議所からのメッセージを多くの方々に発信します。記念講演においては、「創造」をテーマに開催いたします。近年、急速に暮らしが高度・高質化していく時代のなか、技術の進歩には目覚ましいものがあります。そんな時代を生き抜くうえで必要なのは、新しい価値を生み出していく「創造力」です。これは、新たにひらめく「発想力」のみにとどまらず、発想する課程も含めた価値を創造していく能力です。多様な人材が集う(一社)枚方青年会議所メンバーと、枚方に住まう人びとが協働し、今日までの歴史を振り返りつつ新たな視野を広げ、未来へとつながる“ひらかた”を創造する事業を開催いたします。

志を共にする、情熱溢れるJAYCEEが一枚岩となり持続可能な組織を確立

青年会議所は、仲間と共通目標をもち、一枚岩の組織となって持続可能な運営をしていかなければなりません。
私が入会した2017年には全国に約3万5千人のJAYCEEがいましたが、現在では約3万2千人と約3千人もの会員が減少し、深刻な問題となっています。現在、(一社)枚方青年会議所の会員数は、全国においても有数の会員数を誇ります。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響によるニューノーマル時代が到来し、対面での積極的なコミュニケーションを図ることができていません。このままでは会員数の減少につながるのではないかという危機感があります。
現在、(一社)枚方青年会議所においても、新しい環境下であるWebを活用した懇親会を実施しております。しっかりと意識の共有を行う機会を増やし、同じ志をもつ仲間を増やしたいと強く意識しています。しかし、熱意や志は顔を合わせるからこそ伝わるものは大きく、感じたのはやはり対面でコミュニケートする大切さです。
取り巻く環境は変われど、「明るい豊かな社会を実現する」という理念は変わりません。志を変えないために、変わることを恐れず能動的に変革に臨んでいく、これは創立60周年代運動指針のキーワードである「動的平衡」そのもの。コロナ禍や自然災害といった逆境の時代だからこそ、互いに助け合うべく絆や友情を深め、組織基盤を強固にし、しなやかな組織づくりをしていかなければなりません。
「365日JC」。情熱溢れる拡大運動のためには、JCについての想いを巡らせ、魅力を語ること。その頻度が増えると、自ずと会員拡大運動につながります。私自身が熱源となって会員を増やし、貢献意識をもった同志を増やし、枚方のまちに還元していく所存です。
青年会議所の存在意義は「人づくり」。輝く人が身近にいるとよい影響を与えます。創立60周年という節目に、我々が同じ熱量をもち自己成長につなげるためにも、会員同士の輪を広げながら絆を強固にしてまいりましょう。

交流を通じて他を知り己を知る、多様な成長機会の創出

強い組織を築くためには、「共通目標」「貢献意欲」「コミュニケーション」の3つが重要です。同じ目標をもつ仲間として共に汗を流し、繰り返し語り合い、ときにはぶつかることで一致団結できるものです。一緒に苦難を乗り越え、目標を達成すると共感や感動が生まれます。そういった経験を経て、心から信頼できる仲間が見つかります。入会したものの、様々な事情で積極的に活動に参加できていないJCメンバーをフォローし、支え合いがあってこそ、室、委員会という枠を超えた強い横軸のつながりが生まれます。
会員同士の交流は(一社)枚方青年会議所内だけではありません。青年会議所の活動のひとつに、心でつながる国際交流が挙げられます。我々が所属している(公社)日本青年会議所は、国際青年会議所に加盟しており、現在118の国と地域から約15万人の会員が、日々JC運動に取り組んでおります。台湾彰化國際青年商曾とは、姉妹締結から50年以上もの間、絆と友情を紡いできました。本年姉妹締結55周年を迎えます。この節目の年に、世界中の同志とのつながりを大事にし、相互理解を深めながら刺激し合える関係を築き、友情を育んでまいります。
国内においては、高知県にある(一社)中村青年会議所との姉妹締結が49年目を迎えます。これまで先輩諸氏が育み紡いできた友情を強固にし、締結50周年に向けて、お互いに協力しあえる関係を築いてまいります。
海外や他府県の同志とふれあい、友情を育み、相互理解に努めることは、次世代のリーダー、つまりJAYCEEに必要な経験といえるのではないでしょうか。渉外活動を通じて他エリアの同志とも、一枚岩となってJAYCEEとしての自覚をもち、切磋琢磨していきたいと考えます。
自分とは違う人間だからこそ、交流するなかで学べるものが多い。海外や他府県との交流は、目まぐるしく変化する社会において柔軟に対応するためにも必要不可欠でしょう。近年は対面での交流は制限されていますが、先輩諸氏が築き上げてきた交流、絆や友情を途絶えさせるわけにはいきません。コロナ禍という観点からも、時世に則した交流の図り方を見出し、交流を紡いでまいります。

持続可能なまちの魅力を創造する運動と、帰属意識を醸成する人材育成の実践

私たちは個々の考えを認め合う環境づくりを心がけ、枚方に住むすべての人びとが希望と生きがいをもって暮らせるまちを創造しなければなりません。新型コロナウイルス感染症対策を通して、個々の価値基準に加え社会環境が大きく変化しました。何を残し、何を変化させるのか、あらためて考えていくなか、創立60周年代運動指針のキーワードとして掲げられたのが「動的平衡」です。
「動的平衡」とは、変わらないために変わること。急激に発展する地域において、私たち一人ひとりが青年会議所の変わらぬ使命をあらためて認識し、地域のため、市民のために時代に合わせ、変化を加えた基盤づくりを進めていかなければなりません。今後は、より一層人びとが一体となって、自分たちのまちの魅力から未来を想像し、行動に移していくことで、持続可能なまち「ひらかた」の創造につながると考えております。
人口減少と少子高齢化へと向かう今、まちづくりの中核を担う我々は、自分自身も地域を構成するメンバーの一員だと自覚をもったうえで関わらなければなりません。魅力溢れるまちづくりと地域社会の進展のためにも、幅広い世代との交流をもち、地域の発展に貢献してほしいという想いを伝えていく機会が必要です。しかし、昨今はご近所づき合いが減り、幼少期よりオンラインに親しんだ子どもたちは、地域コミュニティへの参画率が低下、地域の人びとの関係性が希薄化しています。ひと昔前は当たり前だった風景を取り戻すためには、まちに関わる人びとが集い、様々な活動が活発に展開される場をつくり、地域内外に関わらず交流機会を創出することで、魅力溢れる持続可能なまちへの一助となると考えております。
近年、職業体験の場が増えてきましたが、子どもたちに将来の仕事や経済について教える機会がまだまだ少ないと感じています。社会の仕組みや働く意味を知る、自分の未来図を思い描ける教育の場が必要です。そのためにも子どもと触れ合える地域事業を活性化させ、居場所を作り、ぬくもりを伝えることで青少年の健全な育成をしてまいりましょう。
また、地域企業との交流を増やしながら、就学未満時から成人するまで、ゆっくりと心の成長、好奇心や想像力を育成していけば、地域の大人とのつながりも増して今よりもっと地域愛をもち、帰属意識や当事者意識を醸成できるのではないでしょうか。未来の担い手である子どもたちに対し、道標を示していきたいと考えております。
近年、枚方は駅前開発が進み、どんどん住みよいまちへと変化しています。便利な施設が揃っているほか、自然もたくさん残っています。子どもたちが未来図を描くまち、若い世代が夢を叶えるまち、そして子育てのまちとしても枚方の良さをアピールし、未来の担い手に帰属意識を醸成させてまいります。

故きを温ねて、新しきを知る、変わらないために変わる協働運動の確立

私が大切にしている言葉に「故きを温ねて、新しきを知る」という言葉があります。儒教の経典として有名な『論語』の一節で、昔のことを研究し、そこから新しい知識や道理を見つけ出そうという教えです。これはまちづくりにおいても、同じではないでしょうか。
わがまちの活性化の軸となるのは、枚方フェスティバル協議会です。「発信しよう わがまちの誇り!」を理念に2006年に設立されました。(一社)枚方青年会議所だけでなく、様々な団体が参画し、枚方の文化・歴史・伝統を発信しています。
枚方フェスティバル協議会は、最初の10年は定着、次の10年は発信を目的に活動してきました。次世代にバトンをつなぐためにも、また、新型コロナウイルス感染症という大きな壁を乗り越えるためにも、“変わらないために変わる”方法を模索していかなければなりません。多様な見識をもち、時代に則しながら、枚方フェスティバル協議会の各種まつりや事業を参画団体と共に模索してまいります。
そして、枚方まつりの誕生は昭和51年。毎年10万人もの参加者が集う、枚方になくてはならない市民まつりです。2020年は新型コロナウイルス感染症の影響もあり中止せざるをえませんでしたが、2021年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続くなか、完全Webまつりを開催することができました。知恵を絞り自分たちにできることを考え、様々な人材が集まる青年会議所だからこそ実施できたことだとあらためて感じております。枚方まつりは、これまで続いてきた歴史ある事業であり、(一社)枚方青年会議所にとっても、まちづくり、人づくり運動の一環として様々な経験を与えてくれる成長の機会でもあります。先輩諸氏の熱意、情熱、志を継承し、「産・学・官・民」が一体となって、時世に合わせ試行錯誤を繰り返しながら、地元・枚方を感じることができるまつりをつくり上げてきました。枚方市民にとって大切な伝統行事である枚方まつりを構築することにより、郷土愛を育み、帰属意識の低下を払拭することにつながります。新型コロナウイルス感染症終息の見通しが立たない状況のなか、想いを引き継ぎ、時世に則した新たな開催方法を模索しながら、実施へとつなげてまいります。

未来を指し示す、持続と調和による創立60周年運動

戦後まもなく「新日本の再建は、われわれ青年の仕事である」という祖国再建の使命に燃えた若者たちによって、日本の青年会議所は始まりました。その後、日本中にJC運動が拡がっていくなかで(一社)枚方青年会議所は、「われわれは、つねに団結の力により創造者としての勇気と実行力をもって地域社会の進歩発展に貢献せんとするものである」という高い志を示し、様々な場面で地域から信頼される組織として関係性を築いてまいりました。
創始の精神を引き継ぎ、まだ見ぬ未来のメンバーへとつなげるためにも、過去からのバトンを落とすことはできません。2020年より新型コロナウイルス感染症の影響から我々の活動も制限され、悔しい気持ちになる機会も多くありましたが、創立60周年という節目だからこそ、脈々と受け継がれてきた組織を継承し、時代に則した対応を取り入れ、気持ちを新たに活動してまいります。
40歳での卒業制度があるJCは、柔軟に変化し続ける基盤があり、我々にはその素養があります。変化する社会にあっても志は変わらない、組織としての価値を守るために柔軟に変化し続けなければなりません。変わらないために変わる、組織としての価値を守り変化し続けるために、創立60周年代運動指針のキーワードである「動的平衡」を胸に、コミュニケーションを密にとり、個々の能力を集結させ、調和によって持続するまち“ひらかた”を共に創造してまいりましょう。

伝えるから伝わる広報活動に着手

私たちは多くの時間を費やし、まちの課題に積極的に取り組んでいますが、市民と共にあることを常に考えていかなければなりません。先輩諸氏が今日まで積み重ねてきた地域の課題と向き合い、実践と検証を繰り返しながら様々な運動を展開してきたことは、地域の発展に寄与してまいりました。
青年という立場だからこそできることを考え、多くの団体と協力しながら運動を進めていますが、私たちの存在や活動は効果的に発信できているとは言えません。地域を巻き込んで市民の意識を変革し、協働につなげるには、積極的かつ効果的な運動発信をしていく必要があります。
活気に溢れた同志たちがJAYCEEとしての誇りをもち、得意とするチームワークで、まちづくりへの情熱を語り、足を使った昔ながらの広報活動も活用しつつ、時代に則した手法も駆使したPR活動も並行させ、広報誌やホームページで活動内容を報告するだけではなく、SNSを効果的に活用し、各種メディアとの連携も強化していき、私たちの運動を私たちのなかだけで留めることなく、斬新なアイデアやユーモアから結果にコミットする手法を模索し、協働につなげるための伝わる広報活動に着手してまいります。

地域からの信頼を得るための厳格な規律を基盤とした組織運営

(一社)枚方青年会議所が、長きにわたり信頼と負託に応える組織として地域に根付いてきたのは、先輩諸氏から脈々と継承されてきた規律に基づく厳格な組織運営と、徹底したガバナンスの構築や堅実な財務基盤にあります。
多様化が進み、これまでの運営方法に加えコンプライアンスの遵守も厳格化されている状況で、私たちは先輩諸氏が積み重ねてきた組織の運営方法を引き継ぎつつも、時代に則した対応も進めていかなければなりません。
私たちの意思決定は、すべて会議によって決まります。提案されたアイデアに、しっかりと向き合い、時間をかけて様々な意見を集約し、研ぎ澄まされた形をつくり、自信をもって運動を展開してまいります。
また財政面においては、私たち一人ひとりの会費によって運動できていることを忘れてはいけません。会費を無駄にしない費用対効果の高い事業を実現するためにも、これまで以上に計画の予算から実施後の決算まで、公正かつ適正に運用されているのかを明確にし、良識と品格をもって堅実な財務運営に努めます。

個の価値を磨く人材育成の実践

「数は力、質は強さ」と言います。数を増やすだけではなく、個の質を高め、今後、地域を支えるリーダーとなるためにも個々の成長が必要です。(一社)枚方青年会議所での学びはもちろんのこと、全国各地のネットワークを活かした成長機会があるのも、青年会議所の強みとも言えます。全国的に画一的な政策ではなく、各地域の特性に合わせた解決策が必要とされている時代のなかで、地域課題を解決に導ける人材を創出することは、明るい豊かな社会の実現へと近づくのではないでしょうか。
そして、メンバーは育ってきた環境・性別・職業もそれぞれ違います。文章を書くことが得意な人もいれば、コミュニケーション能力が高い人もいます。その個性豊かな人材が集まり、議論を重ねていくことで、新しい発見へと導かれます。常に堅苦しい話をするだけではなく、時には世間話も交えることで、これまでになかった発想が生まれてくるはずです。相互理解を深めながら意見を述べ、熱いディスカッションを繰り返し、一人ひとりが情熱をもって行動することができる組織づくりを進めてまいります。
無限の可能性を秘めた私たち一人ひとりが視野を広げ、常に高い目的意識をもち、今何をすべきかを考え行動するリーダーとなるために学びを得て、あらゆる楽しさを追求し、来たる創立60周年に向けて新たな一歩を踏み出し、多様な人材が輝くこの時世に(一社)枚方青年会議所の真の強さを醸成してまいりましょう。

むすびに

(一社)枚方青年会議所に入会して6年、志を共にする仲間ができ、人脈が拡がり、自己研鑚につながりました。会員は見識者が多く、話を聞くだけでも刺激的でしたし、行動力も素晴らしい。尊敬できる方々に囲まれて、勉強の日々を送っております。周りの方々の熱い情熱に触れ、どんどんJCの活動にのめり込むようになりました。
現在は、新型コロナウイルス感染症の影響で社会は疲弊した状況ではありますが、過去を振り返れば、様々な壁が立ち塞がっている状況下であっても先輩諸氏は乗り越えてきました。
まずは私自身が熱源となり、周りに「熱意」を伝え、誰にも負けない「情熱」をもち、大きな「志」をもって先頭に立ち、心折れることなく進んでまいります。
創立60周年という節目の年、先輩諸氏が紡いできた情熱を絶やすことなく、すべてのメンバーが個々の熱意を灯し、すべての人への感謝を忘れず不変の志を追求し、熱意溢れる個の価値を調和させ、持続可能な未来の実現に向けて突き進んでまいりましょう。